あるエピソード

 少し前になりますが、先日、福山のポートプラザで吹奏楽部街角コンサートを行った時の話。
 年末、おかやま山陽高校インターアクトクラブを中心に、空手道部、製菓コース、調理科、そして生徒会役員のメンバーが、被災地の石巻市で行われる仮設住宅年越し支援イベントへの応援参加を予定しています。約30名の旅団を組み、バスで移動します。私も同行する予定です。
 そのため、ポートプラザコンサートでは、生徒会役員たちが、これにかかる費用についてのご寄附をお願いしていました。
 すると、一人のご婦人が、生徒と一緒にいた本校教員のところにやってきて、声をかけてくださったそうです
 以下に、そのご婦人のおっしゃったお話を紹介します(あえて一部ぼかします)。
 「私は福山の出身で、現在、被災地に住んでいます。今日は久しぶりに故郷に帰ってきていて、偶然、このコンサートに足を止めました。私たち東北に住む人間は、実のところ、『西日本の人たちは、もう被災地のことなどとっくに忘れて生活しているんだろう』くらいに思っていました。でも、今日、生徒さんたちが被災地への支援のための募金をしてくださっているのを見て、『ああ、まだ忘れないでくれていたんだ』とすごくうれしくなりました。本当にありがとうございます」。
 最近よく「忘れない」というメッセージを耳にしますが、「覚えていますよ」、「心配していますよ」という気持ちが伝わること、そのものの大切さというのが、この方の言葉で初めてわかった気がします。
 おかやま山陽高校インターアクトクラブ東北支援隊、順調に行けば、12月22日に出発予定です。