8月4日(木) 全校登校日

 生徒たちが元気に登校してくれました。とりあえずは無事に過ごしてくれていることの何よりの証拠ということで、とても嬉しいです。
 校長講話ではモンゴルでの体験について報告をしました。
 公称人口270万人に対し、国土は日本の4倍の広さを持つモンゴル国。人口密度は浅口市に一人、という見通しの良さ。でも、実際はその半数近くの方が現在、ウランバートル市近郊に凝集して暮らしています。
 姉妹校のモンゲニ統合学校(モンゴルの学校は小学校から高校まで12年間一貫教育なのです)さんで先生からお聴きした、いまのモンゴルが抱える教育問題。
 それは、大学に進学する若者が増えた結果、卒業後に就職する先が見つからないということ。
 モンゴルの人口270万人というのは、日本の都道府県では広島県の約280万人が一番近いことになります。その広島県に、現在4年制大学が21あるのに対し(それでも過剰と言われてますね)、モンゴル国にはなんと170以上もの大学があるのです。
 そんなモンゴルに住む若者は勉強熱心ゆえ、一生懸命学び、ひたすら高学歴を目指すそうです。しかし、その結果、その学「習」歴に見合った就職先が国内にないため、結局、若者は海外に行ってしまう。
 これはいわゆる頭脳流出ですよね。
 頭脳流出は、高学力で、モチベーションの高い人ほど国内に留まらなくなる現象で、離陸期を迎えた新興国に起きやすいものです。
 個人の視点だけからなら、お金の余裕のある家庭の子はそれでもいいかもしれません。でも、外国に出たくても経済的に余裕のない子は、どうしようもありませんし、社会的視点からは言うまでもなく大きな損失で、その国がそれ以上発展するのを阻害する可能性があります。
 モンゲニさんでは、この状況に対し、もっと専門教育に力を注ぐ必要があると考えているそうです。
 つまり、若者たちがモンゴル国内で地に足の着いた生活基盤を築くためには、より実務的な職能を身に着ける教育機会を提供する必要があるという判断です。そして、これを実現するために、おかやま山陽高校に協力してもらえないだろうか、とのご相談をいただきました。
 個人的にはたいへん的確なご判断と思いました。そして、協力計画の具体については、今後メール等でやり取りして固めることにしました。
 ところで、この問題、どこかで同じような話を聞いたことがありますよね。
 それは、言わずと知れた日本。
 昨年度、新規大卒者のうち6万人(統計によって差がありますが)が未就職のまま卒業を迎えたとか。
 ただし、日本人の若者は、国民性ゆえか、あまり国外に出ようとしません。
 だから頭脳流出現象はおきない代わりに、国内で生殺し状態で溜まっていく若者が増えています。
 民主化されてわずか20年、人口の半分がいまだに遊牧で生活しているモンゴル国が、アジアを代表する先進国と言われる日本と同じ構造の問題を抱えているとは、実に興味深いですよね。
 で、ここからは説教タイム。
 日本は未曽有の不況に見舞われています。
 求人件数はおかげさまで昨年度比で増えましたが(地元企業の皆様、本当にありがとうございます)、その席を巡る競争はむしろ激化していると思われます。
 ですから、3年生の生徒には、今年の夏は、今後40年以上続くべき職業人生活のための投資期間ととらえるべきで、そもそも今年は夏休みというものはないものと思ってほしいと伝えました。
 特に就職を希望している人。高校生に必要な漢字は十分読み書きできますか?数学の基礎は身についていますか?新聞を少なくとも毎日一紙は読んで、一通りの時事問題が頭に入っていますか?
 それ以前に、生活時間帯は乱れていませんか? 
 今年の就職試験の解禁は9月16日。始業式から生活を立て直そうなんて、遅すぎます。少なくとも1か月前には、普段通りの生活時間帯に戻しておきましょう。まだ遅くないです。
 そのような発破をかけて、講話としました。
 それではまだまだ暑い、夏の後半戦、しっかり頑張りましょう!




昨日のニュース

 昨日の夕方のニュースでは、ほぼ全局(岡山県内)がギネスカーMIRAIの石井岡山県知事表敬訪問の様子を放映して下さいました。
 さらに、一部の局さんでは、同じ日に開催されたスイーツ甲子園の様子も同じ番組内でご紹介下さいました。
 おかやま山陽高校続きで、なんかすごかったですよ。
 昨日も書きましたが、MIRAIの公道走行中、道行く人みなさんが、MIRAIを振り返って、まず驚いて、そして、笑ってくださる。
 これが、なんとも嬉しいのですよ。
 自分の行動によって、それに触れた人が少しでも明るい気持ちになってくれるのなら、それはとてもいいことだと信じています。
 昨日は、少しは徳を積むことができたでしょうか。