7月26日(火) 岡山県私学教育研修会(第一日目)@倉敷アイビースクエア

 記念公演は、「魂を揺さぶる本気教育 〜感動は人を動かす」。株式会社アビリティトレーニングの木下先生によるお話でした。
 私が一番感心したのは、木下先生の話術と、その根底にある準備、練習の周到さ。しっかり考えられた構成に、熟練の落語家のような、表情、抑揚、目配り。われわれ、人にものごとを伝えることをなりわいとしているものとして、見習うべきことが多くありました。
 お昼かからの第一部会は、大阪桐蔭中学高等学校の森山校長先生のご講演。関西ではトップクラスといわれる進学校で、スポーツ・芸術でも素晴らしい成果を上げておられます。
 森山先生は、昭和58年に生徒急増対策で作られた分校から、関西を代表する高校に成長させられました。その経緯、コツ、秘訣などをお話ししてくださいましたが、一番大切なところは、どんな種類の高校でも変わらないんだな、と感じました。
 いい勉強をさせていただきました。




7月25日(月) 中国地区高等学校工業教育研究会(中工研)@広島

 今回の中工研の理事会で、ギネスカーMIRAIについて発表する機会を頂きました。
 自動車科のM先生、資格専門コースのH先生のおかやま山陽高校二大パワポマスターにお願いして、入魂のプレゼンテーションを作成して臨みました。
 持ち時間は20分ということで、結構余裕があるかな、と思っていましたが、話し始めてみると意外に時間がかかり、持ち時間をオーバーしてしまいました。これは反省。
 でも、本当にいい機会を頂きました。
 記念講演では、崇城大学の西田教授による「最新の宇宙航行工学」についてのお話。
 西田先生は、あの「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンと、アブレーションシステムについて。
 イオンエンジンについては、おおむね、メディアで報道されている通りです。
 意外で面白かったのが、帰還カプセルを大気圏突入時の高熱から守る、アブレーションシステム。
 私も誤解していたのですが、まず、帰還カプセル(イトカワのサンプルが入っているアレです)が大気圏再突入時に高熱に包まれるのは、大気との摩擦のせいではないということ(西田先生によると、メディアでも大気摩擦という言葉を使っているところが多いそうです)。
 マッハ40にもなる再突入時、カプセルの前面に強い衝撃波が生じます。この衝撃波の後方(=カプセル表面)にはプラズマによる高熱が生じ、はやぶさのカプセルの場合、その温度は56,000度にもなります。
 アブレーションシステムというのは、カプセルの前面にアブレータと呼ばれるカーボン製のカバーを装着し、その表面を溶融、気化、蒸散させることにより、衝撃波で生じた熱を発散させる冷却システムです。これにより、カプセル表面の温度は3000度程度まで低下し、最終的にはカプセル内のサンプル室内は数百度以下を維持できるのだそうです。
 あと、西田先生は、流星の輝きについても、実はこの衝撃波により蒸散した成分がプラズマ化したものではないか、との自説を話されました(ただし、高度により、大気濃度やスピードが変化するため、発光開始から燃え尽きるまで一貫したものではない)。元天文少年としては、興味深いお話でした。
 あと、岡山県の場合、工業の校長会は公立・私立と細かく言わず、みなさんとても仲良くしてくださいます。これは中国地区でも同じでした。他県の校長先生方から、いろいろと興味深いお話をお聞きすることができました。