桃太郎アドベンチャー 〜ATフィールドをちょっとだけ下げて〜


 桃太郎アドベンチャー(略して桃アド)は、マイスター・スクールとならぶ、おかやま山陽高校ならではのプログラムです。
 桃アドを一言で説明するなら、「集団心理学を応用した、仲間作りのためのプログラム」です。
 集団で共通の課題(たとえば、全員で3.5mの壁を乗り越える、全員がワイヤーロープの反対側に渡る、など)に取り組むなかで、自分の役割、協力の大切さ、みんなで達成する喜び、などを感じてもらいます。
 新入生たちは、つい先月まで、地元のあたたかい人間関係のなかで育ってきました。高校に入学と同時に、いろいろな地域から来た人たちに囲まれ、そこで新たな人間関係を作らなければなりません。
 そのせめてものお手伝いができれば、とはじめたのが、この桃アドです。お互いに自己紹介をし、言葉を掛け合い、体同士で触れ合ううちに、自然と仲間意識をはぐくんでほしいと願っています。
 少し専門的な言い方をすれば、現在、多くの学校が「構成的グループエンカウンター(または構成的エンカウンターグループ)」という方法を取り入れているようですが、その体育版が桃アドなのです。
 思春期はいろいろと難しい時期です。なかなか素直になれなくて当たり前、というか、大人になるにあたって、そういう段階も必要なわけです。
でも、その一方で、不必要な心のバリアは、人間関係を広げるせっかくのチャンスを無駄にしてしまいます。
 ほんの少し素直になるだけで、もしかすると、新しい自分の可能性を見つけられるかもしれません。
 周りの人間関係が一新される新入学の時期は、自己刷新に最適なタイミングです。
 『ATフィールド全開!』なばかりが青春じゃありませんよ。