sanyomomotaro2007-01-25

寒風の中、カヤック進水式

 本日1月25日、マイスター・スクールの時間、「カヤックビルド」講座の履修生徒が製作したカヤック進水式を行いました。
 場所は倉敷市玉島黒崎の沙美海岸。
晴れていたのですが、若干風が強く、波頭がチラホラ。できるだけ防波堤の影に近づき、波の静かなエリアを選んでカヤックを浮かべます。
 ちなみに、カヤックとは1人乗りの手漕ぎの船です。船体の上にあいた穴から下半身を入れ、足を前に投げ出して座る体勢で乗り込みます。乗っているというより、下半身にカヤックを『着ている』と言ったほうが正確かも。
 操船は、1.5mほどの棒の両端に櫂のついた「パドル」で行います。
 船体の幅が60cmほどしかないため、バランスをとるのにコツがいります。
 現場には多くの取材陣の皆さんと、地元の皆さん。
 今回の船体を製作したのは、10名の3年生たち。今日は、実は彼らにとっては最後のマイスターになるのです。最終回にやっと間に合って完成した3艇のカヤック
 この頃には波もだんだん落ち着いてきました。
 最初の勇者が、恐る恐る、乗り込みます。当然、ライフジャケットを装着。指導担当のM先生が「足を開いて、突っ張って。バランスをとって」とアドバイスします。
 操船は初めてのはずの生徒たちですが、意外と上手く船を操ります。
 が、しかし、ここでお約束の、浸水。むしろ、「浸水式」。
 おしりをぬらして、満足そうに、というより、ムチャクチャ寒そうに上陸。
 テレビのスタッフの方に「一言、感想を!」とマイクをむけられても、「寒いから、寒いから!」と言葉になりません。着替えのため、マイクロバスにダッシュです。
 実は、この進水式で進水するのは例年のことなので、生徒たちは換えの下着を準備してきているのです。
 次々に生徒たちは操船を体験。
やはりドラマの神様はいるのでしょう。浸水のみならず、船体破断、あわや転覆、最後には漂流と、わずか30分足らずの間にいろんなドラマが繰り広げられます。
 砂浜に広げられた、お知りの部分だけが黒く濡れた実習服が、なんともいい味を出していました。
 このカヤック、素材はベニヤ板で、それをFRP樹脂を染み込ませた布で目張りしています。ですから、今回、破断した船体も、比較的簡単に修理することができます。
 しかし、高校の授業で、自分で作ったカヤックで海に出る体験ができるなんて、生徒たちがうらやましいです。