sanyomomotaro2006-08-07

浅口地区製菓講習会

 先日、おかやま山陽高校の製菓工房ル・フチュールにて、浅口地区の小中学校の給食担当の先生方が集まって、製菓講習会が行われました。
 この会では、毎年この時期に、研修をされるのだそうですが、今年は本校の製菓実習設備を使って、プロ中のプロであるマイスター講師のK先生に本物の技術をご教授願おう、ということになったのだそうです。
 給食担当の先生とお聞きしていたので、給食の調理担当の方が来られるのかと思っていたら、いろんな教科の先生たちでした。
 K先生も、ならば、ということで、比較的経験の浅い人でも家庭で出来るもの、という観点からレシピを練ってきてくださいました。
 しかし、いざ始まると、それはプロのパティシエ、譲らないところは譲りません。

 「今回用意したバターはね、本物のフレッシュバターなんです。一般のお店じゃ、あまり扱ってないかもしれません。でもね、別に偉そうにするためにこういうのを使ってるんじゃないんです。私は自分がずっとホテルで修行していたから、こういう食材しか知らないんです。」

 実績に裏づけされた、謙虚なプライドとでもいいましょうか。

 「いわゆるお菓子屋さんとホテルの厨房の間でさえ、使う材料が違うんです。お菓子屋さんが、お菓子だけで利益を出そうとすると、どうしてもバターの代わりにマーガリンを使ったりしなきゃならないこともあるんです。ホテルは、そうじゃありませんからね。サービスの一環としてのお菓子ですからね。本物にこだわらなきゃならないんです。」

 蓋し、正論、至言です。(もちろん、すべてのお菓子屋さんがそうではないですよ、念のため。)

 「たしかに、本物の食材は高価ですよ。でも、かならず、それだけのことはあります。本物の食材じゃないと、本当の風味は出ないんですよ。」

 おっしゃるとおりです。ル・フチュールのお菓子はどれも、生徒の作品とは思えないほど美味しいです。やはりK先生のプロ仕様のレシピ、そして、それに従った食材あってのものです。

 たとえば、マドレーヌは、フレッシュバターを火にかけて焦がしバターを作るところから始まります。もうこれだけで風味が違います。
 ちなみに、先日、ル・フチュールで生徒が作って販売しましたマドレーヌも、同じ材料、同じ製法でした。それを考えるとあのマドレーヌ、非常〜に、お買い得な商品なんです。
 今回は調理科1年生の生徒3名もアシスタントに入ってくれました。一生懸命がんばってくれました。
 ちなみに、本来、製菓業にとって夏はオフシーズンです。クリスマスに食べるデコレーションケーキがありますよね。あのスポンジはこの時期、工場がひまな時に大量に焼いておいたものを冷凍保存しておくんだそうです。最近は冷凍技術も向上したので、ほとんど焼き立てと変わらない風味が保てるんだそうです。(別に本論とは関係ありませんね。ちょっと知ったかぶりをしてみました。すみません。)