性教育講演会

 本日、中間考査が終了した後、1,2年生を対象に、性教育講演会が行われました。
 講師は、広島で婦人科クリニックを経営しておられる河野美代子先生です。先生は、数十年にわたって婦人科で診療をされる中で得られた貴重な知識を、若い世代にぜひとも伝えたいとの思いで、このような講演会を行っておられるのです。
 河野先生は、まず、若い頃に勤務されていた大学病院の婦人科での経験から、いかに命が大切でかけがえのないものであるか、というお話から始められました。子宮ガンに冒されたお母さんが、まだ幼い子どもたちのことをどれほど心配しながら亡くなっていったか。そのお母さんが亡くなった直後、病院に駆けつけた子どもたちが、空っぽになったベッドを呆然と見ていた時の目はいまも忘れられないそうです。
 続いて、現代の若者がいかに性に無知であるか、それによって、いかに多くの問題が実際に起こっているか、について、非常に具体的にお話くださいました。
 マスメディアが流布する商業主義に基づく性情報をそのまま鵜呑みにしてしまった結果、性感染の危険にさらされたり、望まない妊娠をしてしまう若い女性があとをたたないのだそうです。
 そして、ご講演の途中で、妊娠から出産にいたる仕組みについて説明した映画を見せてくださいました。この映画の最後は、あるお母さんが出産する実際の映像で締めくくられます。そのときのお母さんのなんとも幸せそうな顔がとても印象的です。河野先生は、この顔をみてほしくて、いつもこの映画を上映されるのだそうです。
 先生のお話は、ここではこれ以上詳しくご紹介することはできませんが、生徒たちは約2時間という長い時間のご講演にも関わらず、最後まで熱心に聞き入っていました。
 全身を振り絞るようにして話される河野先生の情熱が、生徒たちのところまでバンバン伝わっていた感じでした。
 生徒たちにも言いましたが、今日この時点で河野先生のお話を聞くことができた生徒たちは、本当に運がいいと思いました。河野先生のお話の中には、男として、女として、それぞれこれから先の人生を幸せに歩むために必要な知識、それも、現代ではきちんと教えてもらう機会がなかなか得られない貴重な知識が、ふんだんに含まれていました。
 講演終了後、河野先生にお願いしました。先生のお話は、生徒たちにはできるだけ早い時期に聞かせてやりたい。そのために、これからは毎年、新入生を対象にこの時期にお話をお願いできませんか、と。
 先生は、「わかりました」とご快諾くださいました。来年もよろしくお願いします。