モワウラ君、新潟へ旅立つ

 3月4日の土曜日、モワウラ君がついに新潟へ旅立ちました。
 以前もこのブログでお伝えしたとおり、彼は新潟県重川材木店という建築会社に大工さんとして採用していただきました。
 午前10時、鴨方駅前の陸上部の寮に、重川社長さんを始めとするご一行がいらっしゃいました。私は重川社長さんご本人とお会いするのは初めてだったのですが、落ち着いた紳士的な方でした。ひと目で「この人ならば安心してモワウラ君をお任せできる」と思いました。
 当日はNHK岡山の取材スタッフの皆さんも来られ、横山監督、奥様、そして、苦楽を共にした部員たちとの別れの様子を撮影されていました。
 3年間といえば長いようで短く、短いようで長いものです。万全の準備をしていたはずが、思わぬところにシューズが残っていたりで、何度も寮と車を往復します。もう使わないものは後輩にあげてしまったりして、なんとか準備が完了しました。
 横山監督から最後の言葉が贈られます。奥様から3年間の活躍を編集したDVDが渡されます。校長先生からのお餞別も。
 重川社長さんの運転で、ワゴン車が出発します。一行は、これから琵琶湖に向かいます。3月5日に、琵琶湖畔で開催されるマラソンに、重川材木店陸上競技部オツオリ選手が出場するのです。
 別れといっても、モワウラ君は今後も日本国内にいるわけで、もう二度と合えないというわけではありません。それでも、やはり、別れはさびしいものです。
 奥様が、「もし、走れなくなったらモワウラ君はどうなるんでしょう」と心配しておられましたが、その点だけは心配ないと断言できます。なんせ、最初から「大工7割、陸上3割」という約束ですから、あくまでも大工さんとして充分仕事をこなしている限り、日本で仕事を続けることが出来るはずです。
 この日、新たに知ったことがありました。現在、重川材木店陸上競技部には、オツオリさんとゲタンダさんの2名のケニア人ランナーがいます。このうち、オツオリさんはもうお年もお年なので、コーチ兼ランナーということで、「大工7割」という勤務をこなしておられます。一方、ゲタンダさんは、まだまだランナーとしてもこれからで、しかも、記録を順調に伸ばしていると言うことで、現在、むしろランナー中心の勤務をしておられるのだそうです。
 モワウラについても、今後彼の記録が伸びれば、ゲタンダさんのような配慮をいただける可能性があるとのことでした。基準は、5,000mで13分30秒を切ることだそうです。これまでのモワウラ君の最高記録が13分50秒台ですから、あと20秒です。こういうインセンティブは、きっとモワウラ君にとっても大きな励みになるはずで、本当にありがたい配慮だと思います。
 これから、テレビや新聞紙上でモワウラ君の活躍を目にすることがあると思います。いつまでたっても、おかやま山陽高校の卒業生です。ぜひとも応援してやってください。
 なお、モワウラ君の卒業についての特集を、NHK岡山放送局さんが組んでくださいます。3月5日の午後6時10分からの、『きびきびワイド610』の中で放映されます。是非ご覧下さい。


NHK岡山放送局きびきびワイド610公式HP
http://www.nhk.or.jp/okayama/program/index2.html