調理科 in 中小企業家同友会 再び

 2月21日夕方、岡山県中小企業家同友会倉敷支部の例会がおかやま山陽高校調理科ホテル実習室を会場に行われました。
 同友会が本校で行われるといえば、当然、調理科の生徒諸君が活躍するわけです。この日も、ルフチュールの生徒社員と、料理研究部のメンバーの諸君が、美味しいデザートを出してくれました。
 この日ご用意したのは、今週末の3日間、倉敷チボリ公園で開催される『あるある!備中探検隊』のために考案した米粉のシュー。和・洋二種類あるうちの洋バージョンをサービスしました。特別に米粉のクッキーも沿えて、コーヒーと共にお出ししましたが、皆さんの反応は上々。試食の時より少し小さめに作ったということで、お腹にも程よく、講演・討議の前のよい糖分補給になったようです。
 同友会の皆さんは、毎回、生徒たちが作るお菓子自体が嬉しいというより、緊張しながら一生懸命サービスする生徒たちの姿を見るのが目的のようで、やさしい目で生徒たちの奮闘をご覧になっていました。生徒を代表して調理科2年のM君がメニュー紹介をしましたが、突然の指名につっかえながらの説明もまた、ご愛嬌でした。
 倉敷支部長さんから、生徒たちに「これはプロが作ったお菓子ですが」と、お土産を頂戴しました。本当にありがとうございました。
 ちなみに、この日の同友会のご講演(同友会では『報告』と言いますが)は、滋賀県にある仕出し会社の社長さんでした。毎日、約5,500食のお弁当やランチメニューを社員食堂や学生食堂などに提供しています。ある時、「あなたの会社が今日つぶれたとして、誰か本当に困る人がいるのか」と問われ、その答えを探し続けてきたそうです。
 サービス業というのは、仕事の結果が形として残らない分、その仕事が社会の中でどのような役割を担っているか、実感しづらいものなのだそうです。たとえばお医者さんのように、困った患者さんが待っている、治った患者さんから感謝の言葉が寄せられる、という仕事ならまだ実感しやすいでしょう。でも、必ずしもこの会社でなくても、よその会社に頼んでも同じサービスが手に入る、といった種類の仕事の場合、どうでしょうか。
 そんな中で、ある日、「自分の会社が弁当を届けている会社の社員さんたちは、それによって昼から働く活力を得ている」ということに気づき、自分の会社の仕事は日本経済を支えている、縁の下の力持ちなんだということを実感したのだそうです。
 以来、この社長さんは、この想いを全社員で共有できるよう、いろいろな車内変革、そして、自分自身の意識変革を重ねながら努力しておられるということでした。
 「まだ成功例として報告できる段階ではありませんが」と謙遜されながらのご報告でした。
 振り返って、おかやま山陽高校、本当に社会の誰かに確実に必要とされている学校であるのか、生徒たちによっておかやま山陽高校でなければならない理由は本当にあるのか、常に自問自答しなければならないと痛感しました。
 私たちが一番嬉しいのは、たとえばある生徒に「なんでおかやま山陽高校に入ったの?」と尋ねると、「親は公立行けえゆうたんでうけたんじゃけど、どうしても山高にきたかったけえ、公立入試のとき、白紙で解答用紙出したんじゃ」という答えが返ってきた時です。
 親御さんには本当に恐縮ですが、心から嬉しい瞬間です。この気持ちを大切に、決して無駄にならない3年間を提供したいと誓う瞬間でもあります。
 こういう生徒が1人でも多く来てくれるような学校を目指していきたいと、改めて思う一夜でした。


岡山県中小企業家同友会公式HP

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