sanyomomotaro2005-11-29

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 先日、歌手の本田美奈子さんが、38歳というあまりにも短い一生を終えてしまいました。原因は、白血病でした。
白血病は、非常に恐ろしい病気です。しかし、治療法がないわけではありません。白血病の治療は何段階かに分けることが出来ますが、その最終手段といえるのが、骨髄移植です。
ここにある画像は、「骨髄バンク」に登録していることを表すカード、いわゆるドナーカードです。わが国では、骨髄移植推進財団、いわゆる「骨髄バンク」が移植のコーディネートをしています。
 骨髄バンクについては多くの方がご存知だと思います。骨髄移植は、他人同士では骨髄の型が合致する確率が低いため、多くの人が登録して、データを共有する必要があります。登録者数の目標は30万人だそうです。30万人いれば、多くの白血病の患者さんが治癒する可能性が高まるのです。それに対して、現在のドナー登録者数は26万人。目標まであと一息です。
 私は、つい2年ほど前にドナー登録をしました。きっかけはこうでした。
 ある夜遅く、自宅の電話が鳴りました。大学時代の友人からでした。彼女は泣きながら「M君が、白血病になったって」と知らせてくれました。M君はヨガが趣味で、仕事も健康医療関係に従事していました。健康には人一倍、気を使っていたM君が、そのような病気になるなんてにわかには信じられませんでした。
 しかし、いろいろ調べてみると、これこそが白血病の最大の特徴だとわかりました。その他の癌が高齢者に多いのと異なり、白血病は年齢を問わず、ある日突然発症します。放射線への被爆など原因がある程度わかる場合もありますが、多くの場合、発症の原因・引き金は不明です。
 わかっているのは、成功する確率がもっとも高い治療法が、骨髄移植だということです。
 実は、今から20年近く前、学生時代に、ドナー登録しようとしたことがありました。そのとき、直前になってある人から「骨髄移植で全身麻酔をした時、事故で意識が戻らなくなることがあるらしいよ」と言われました。そのときは、「それではわりに合わないな」と登録を止めてしまいました。
 しかし、今回、友人が発病してみると、それがなんと馬鹿な判断だったか、よくわかりました。血液センターに行くと、登録前にビデオを見せてくれます。そこでは、骨髄移植に伴うドナー側のリスクについて、丁寧に説明されています。それによると、少なくとも日本で骨髄バンクを通じて行われた移植では、麻酔事故は一件も起こっていないとのことでした。
 この麻酔事故というのは、どうやら、都市伝説の類のようです。
 もちろん、自分が登録したからといって、友人の骨髄と型が一致する可能性はほとんどありません。しかし、自分にはそれ以外に出来ることは何もありませんでした。岡山市の血液センターで、登録手続をしました。手続はとても簡単なものでした。
 いざ、こういう状況に自分が置かれてみると、町を歩く人波を見ながら、「ここにいる人たちの何人がドナー登録しているんだろう。いま視界の中にいる人の中には、M君と骨髄の型が一致する人が1人くらいいるんじゃないか。なぜみんな登録しないんだ」などと、それまでの自分を省みず、身勝手とも言えることを考えたりします。自分の身に降りかかってみてはじめて、その重大さに気づくというのは、お粗末な話です。
 運良く、私の友人M君は、型の合う骨髄提供者が見つかり、移植を受け、その後順調に回復しているようです。しかし、本当に治癒したかどうかは、移植後5年たたないとわからないのだそうです。
 白血病は、恐ろしい病気です。確率は低くとも、身の回りの誰がいつ発病してもおかしくない病気です。しかし、他の病気と違うところは、多くの人の善意が集まることによって、その危険性が大幅に低くなるという、社会的な側面を持っているということです。
 骨髄バンクのホームページから、登録の条件の概要を抜粋します。
 一人でも多くの方が登録してくださるよう、ご協力をお願いします。
 
骨髄バンクに登録できる条件
  ・骨髄提供の内容を十分に理解している方
  ・年齢が18歳以上、54歳以下で健康な方
   (骨髄を提供できる年齢は20歳以上、55歳以下です。)
  ・体重が男性45kg以上/女性40kg以上の方


その他、細かな条件や約束事があります。
詳しくは骨髄バンクの公式ホームページをご覧下さい。

http://www.jmdp.or.jp/