第82回創立記念式典
 本日、おかやま山陽高校の創立記念式典が行われました。
 おかやま山陽高校大正13年の生石高等女学校創立から数えて82歳を迎えました。
 式典では、最初に歴代校長先生の遺影と遺声を収めたビデオが上映されました。創設者で初代校長でもある原田林市先生の遺声のバックでは、当時の国鉄山陽線を走っていた蒸気機関車の汽笛が聞こえていました。また、二代目校長の原田雄次先生の遺声は、良いこととは自分より他人・社会・国を優先して考えることだ、との講話でした。
 続いて、校長先生からの祝辞がありました。ここでは、現在東京の上野博物館で開催されている恐竜博に来ているティラノサウルスの「スー」の話を交えながら、我々人間がこれまで進化してきた道筋が、すべて現在の我々につながっている、私立の学校も創立者の想いがあって、現在がある、常に「井戸を掘った人」つまり創立者のことを思い出しながら「水を飲んで」(日々を暮らして)ほしい、とのお話がありました。
 そのなかで興味深かったのは、人間は十月十日(とつきとおか)で生れてくるが、その家庭で、妊娠して34日目には胎児は魚の顔になり、二日後の36日目には両生類の顔になる、そして、38日目には爬虫類の顔になり、40日目にして哺乳類の顔になる、というお話でした。我々が恐竜をはじめとするさまざまな動物に言いようのない親近感を覚えるのはこのためだ、とのことでした。
 40億年の生物の進化の歴史の上に現在の我々がいます。それほどまでに私たちの生命というものは尊いのです。
 祝辞の後、おかやま山陽高校の教育三綱領「自律創生、信念の貫徹、共存共栄」を生徒会長の先導で全校生徒が唱和し、その後、校歌を斉唱しました。いつもよりよく声が出ていました。


創立式典記念講演
 続いて、記念講演に移りました。
 講師は昭和52年度に本校建築科を卒業し、現在、国士舘大学空手道部で女子の監督をされている横道正明先輩です。演題は「日本一になれ!」でした。
 横道先輩は現在のおかやま山陽高校空手道部の歴史を作った存在といえる人です。横道先輩が2年生に在学中に初めて個人・団体ともに日本一の栄冠を手にしたのです。
 講演では、最初に横道先輩が全日本空手道選手権で初めて日本一になったときの試合のビデオを視聴しました。大柄でパワーのある相手に対して、一歩も退かず、中段の逆打ちにこだわったすばらしい試合でした。
 横道先輩は、時に冗談も交えながら、いかにして自分が日本一になるべく努力してきたか、を熱く語ってくれました。本当に内容の濃い、説得力のある話でした。
 横道先輩が語ってくれた中で、一番印象に残ったのは、次のことでした。
 まず、決して楽な方に逃げるな、むしろ厳しい方に進んでほしい。楽な方にはチャンスはあまりないが、厳しい方にはチャンスがたくさんあるが、なぜならば、厳しい方に行く人は少ないから。
 そして、チャンスが来たと思ったら、絶対にそれを逃さないこと。
 最後に、一歩も後ろに引かないこと。チャンスは前にしかない。
 横道先輩は、中学校時代まではバレーボールをやっていて、高校に入って初めて空手をはじめられました。そこから日本一を取るという目標を掲げ、実際にそれを成し遂げた先輩の言葉だからこそ、説得力があるのですね。横道先輩は、試合のとき、絶対に一歩も後に引かない、必ず前に出る、ということを常に自分に課しているのだそうです。
 講演の終わりに、横道先輩の先導で全校生徒で「チャンスは前にしかない」と唱和し、第82回創立記念式典は幕を閉じました。