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4月20日(水) シエルブルー、伊藤シェフ初実習!
総社の洋菓子店「パティスリー シエルブルー」のシェフ、伊藤先生による製菓衛生師コース2年生対象の授業が今日から始まりました。
本当は先週からだったのですが、伊藤先生が東北にお菓子を届けるボランティアに行かれていたため、一週間、遅くなりました。
最初は、伊藤先生からのご講話です。
伊藤先生がおかやま山陽高校の製菓衛生師コースに教えに来ていただくきっかけとなったのが、昨年度末にお願いした店舗実習。この時にお世話になった本校生徒のHさんのひたむきさに感心され、本校からのお願いを快く受け入れてくださったのです。
「高校生からこういう修行を始めることには、絶対に意義がある。僕が関わっている限りは、例えばみんなが現場に出て一年後、専門学校出身の人に負けているようなことはないように鍛えます。だから、厳しいことを言うこともあるでしょうが、頑張ってついてきてください」。
頼もしい!
さらに、
「甘いものは、食事と違って、生活に絶対に必要なものではない。でも、甘いものにしかできないこともある」。
そして、先週東北に行かれた時の写真を見せてくださいました。先生はお仲間と一緒に、2トントラックと1トントラックにお菓子の材料(ロールケーキ2500本分、焼き菓子6000食分)を積んで出かけられたそうです。
伊藤先生たちが避難所に入った時、沈んだ顔をしている3人の女の子に「何をしに来たの?」と尋ねられ、「ロールケーキを作りに来たんだよ」と答えた瞬間、女の子たちの顔がパッと明るくなり、出来上がるまでそばを離れなかったそうです。
甘いものにはこういう力もあるんですね。
さらさらに、
「デザートは、コース料理の最後に出てきます。デザートが美味しくなかったら、コース全体が台無しになる。でも逆に、デザートが美味しければ、もしコースが今一つでも、美味しかったという思い出を残すことができる」。
こういう覚悟でお菓子作りをされているんですね。
伊藤先生の実習はかなり厳しいものになりそうですが、こういう授業を受けられる生徒たちは、ものすごく幸せ者ですよ。
私は短い時間お聴きしただけですが、ここで紹介した以外にも、ためになるお話をたくさんされました。その一つ一つが、スッと染み込むように納得できるものばかりでした。
お菓子作りの奥の深さの一端を見せていただいた気がしましたよ。
なお、今日の実習のテーマは「フォンダンショコラ」。きっと美味しいんだろうなあ・・・。
などと言ってましたが、さすがこういう時の嗅覚だけはだれにも負けません。
その後の様子を見に製菓実習室に行ってみたら、まさにちょうどフォンダンショコラが完成した瞬間でした!
伊藤先生からは「誰かが呼びに行ったのかと思いましたが、違うんですか?」と言われるほどのグッドタイミング。
さっそく試食させていただきました。
ご覧ください、このアツアツのトロトロ。この絶妙な食感は、出来たてだからこそのものです。生クリーム、イチゴを添えていただきます。個人的には生クリームなしで、チョコレートだけでちょうどいいかなと思うくらい。
生徒たちも、この瞬間だけは「製造者」から「消費者」に戻り、きれいに平らげてました。
やはり、美味しいものをいただくといい顔になりますね。
先生によると、このフォンダンショコラ、持ち帰る場合にはレンジで温めるといいとのことで、その際はてっぺんが少し膨らむくらいが過熱の目安。それ以上熱を加えると、爆発するそうです。