4月13日(水) 内外情勢調査会@岡山

 お招きいただき、初めて参加してまいりました。
 講師はチベット出身のバイマーヤンジンさん。チベット民族音楽声楽家です。「チベットと日本 異文化を越えて」というタイトルでご講演下さいました。
 何もない遊牧民の村で8人兄弟の6番目として産まれ、大変な苦労をしながら中国の音楽大学を卒業し、ご主人と運命的な出会いののち結婚して日本(大阪)に来られるまでのお話を、ユーモアを交えて、熱く語ってくださいました。
 大阪のおばちゃん風の関西弁(ご本人は若くて大変お美しい方です)があまりにナチュラルで、実は生粋の関西人なんじゃないかと疑うほどでした。
 政治をはじめ、経済、インフラ、すべてにおいて大変なチベットを日本のような先進国にするために一番必要なのは教育だ、との信念から、すでに故国に10の小学校を建設され、いまでは3000人の子供たちがそこで学んでいるのだそうです。
 実際にヤンジンさんから、家族が誰一人文字が読めないためにだまされた話、命を落とした話など、本当に真に迫った問題をお聴きすると、やはり識字問題は大切なのだなと実感しました。
 ヤンジンさんのお話の中で一番印象に残ったのは、次のことでした。
 「世界の資源の0.25%しか持たない日本が、GDPでは世界の17%をも占めている。大連で育った義母から、日本の戦中戦後の大混乱のことも聞いている。日本は焼け野原の中から再出発し、アジアで最初に先進国になることに成功した。これからもアジアの兄貴分として、先頭を切って頑張ってほしい。」
 私たちは今の日本を当たり前と思っていますが、日本も貧しい時代もあり、苦労した世代もおられました。
 修学旅行などでいわゆる途上国にお邪魔して、必ず言われるのが、なんで日本人の若者はせっかくの恵まれた境遇を生かそうとしないのだ、ということです。要は、勉強に専念できるだけの環境があるのに、なんでもっと頑張らない、もったいないではないか、と言いたいのです。
 世界ではいまだに子供は労働力としてしか見られていない、勉強させる余裕などない国がたくさんあります。
 耳が痛い話です。生まれた時からすべてがそこそこ足りている今の日本では、モチベーションが得にくいのかもしれません。
 いつかぜひヤンジンさんのお話をおかやま山陽高校の生徒にもしていただきたいと思っています。
 最後にご披露していただいたチベットの唄、当然素晴らしかったです。同じ遊牧民族だからか、モンゴルのウランバートル国立劇場で聴いたモンゴルの唄に似ている気がしました。



ガイガーカウンター

 若いころ、ガイガーカウンターを持っていました。
 チェルノブイリ事故の直後、秋葉原でキットを購入し、電気に詳しい後輩に組み立ててもらいました。
 数値ではなく、ピップ音で知らせるだけの簡単なものでした。普通にしていても2,3秒おきに一回「ピッ!」と鳴りますが、放射線源に近づくとこの間隔が小さくなります。
 これをポケットに入れてあちこち歩いていましたが、いろいろと興味深かったです。
 ある時は、新宿にあるとあるビルに入ると、かなりの勢いで鳴り出しました。
 また、ある深夜、自分のアパートで寝ているときに、急に鳴り止まなくなったこともありました。
 コンクリートに混ぜられるシュレッダーダストがどこからきているかという問題や、後日判明した某国の原子炉衛星の事故などと自分勝手に関連付けて解釈していましたが、いずれも推測の域を出ません。
 また、スーパーでいろいろな食品売り場を回ってみると、あるコーナーで一番よく鳴ることがわかりました。どの売り場かはあえて申しませんが、生物の授業で習った「生物濃縮」というのは正しいのだと実感できました。
 このように放射線というのは常に身近にあるものなのですが、それに曝される身体的限界については、簡単に判断できるものではありません。
 身体に出る影響も、体質による個人差もあれば、それこそ運がいい、悪いというレベルの差もあるそうです。
 また、関連して起きる症状にしても、研究が比較的進んでいる分野もあれば、そうでないものもあるでしょう。
 情報を出す側も判断に迷っているというのが正直なところではないでしょうか。
 であればなおさら、ここまで国民の知的水準も上がり、ネットというだれでも参加できる情報メディアもできたのだから、むしろすべての情報を生のまま開示し、できるだけ多くの目で判断できるようにしたほうがいいのではないか、と思うのです。