sanyomomotaro2007-07-20

7月21日(土)はおかやま山陽高校の第1回オープンスクールがあります!

 時間:午前9時半〜12時半まで

 会場:おかやま山陽高校(JR鴨方駅下車、徒歩10分)

 ぜひとも、お誘い合わせの上、ご参加下さい。
 なお、部活動の試合等の都合で、直前まで予定が決まらないという人のために、当日の飛び入り参加も大歓迎とさせていただきます。

 お問い合わせ:0865−44−3100(おかやま山陽高校



持ち味を生かし、空手家から木地師

 昨日、面白いお客様がありました。
 おかやま山陽高校の空手道部の卒業生で、現在、蒜山高原にある郷原漆器生産振興会で木地師をしている高月国光さんです。
 木地師とは、古来、全国の山を巡って斧で木を切り、ロクロを回して椀や盆、木鉢、杓子を作って売る生活してきた人たちのことです。現代では、むしろ美術的な価値のある伝統工芸品としての作品を作る人をさす言葉として使われることが多いようです。
 高月さんは、おかやま山陽高校を卒業後、帝京大学に進学し、空手道の道を歩んでいましたが、その後、思うところあって木地師の道を歩み始めました。ご自分でも「高校生の時には、まさかこういう方向に行くことになるとは思っていなかった」とおっしゃっていました。現在、31歳になられました。
 高月さんは、平成17年度に開催された第48回日本伝統工芸中国支部展で岡山県知事賞を受賞しました。
 今回、高月さんはケヤキや欅、肥松などで作った3つの作品(盆・菓子器)を母校へのお土産に持ってきてくれました。どれも、素材の木目を生かした、素朴な中にも繊細な美しさを感じされるすばらしい作品です。素材の持ち味に、木地師の技が加えられ、まるで原木の中に水中眼鏡を差し込んで、一番美しい木目を探しだして眺めているような、そんな印象を受けました(わかりますかね?)。
 3つの作品は、一点は空手道の恩師の滝本師範に、一点は学園長室に、一点は80周年記念館に、それぞれ頂きました。大切に使わせていただきます。
 また、作者の若さが、そのまま作品のみずみずしさに反映されているとも感じました。
 ふだん高月さんは、米子自動車道蒜山インターチェンジを降りてすぐの場所にある郷原漆器生産振興会でロクロをまわして、主に漆器(漆塗りの器)の制作に励んでおられます。
 私も今回初めて知ったのですが、郷原漆器とは、蒜山地方の郷原に伝わる伝統的な工芸技術で、600年もの歴史を持つともいわれているのだそうです。蒜山地方には、古代には、幹の直径が2mもある巨大な栗の木が林立する大森林地帯が広がっていたそうです。現代に入って、この伝統が失われていたのですが、十数年ほど前から、保存しようとの動きが始まり、このような振興会が出来上がったのだそうです。
 まだ若い高月さんは、この郷原漆器の期待の星というわけです。
 蒜山高原に行かれた際は、ぜひ工房に立ち寄ってみてください。


参考HP:岡山県HP「郷原漆器について」
http://www.pref.okayama.jp/soshiki/detail.html?lif_id=6442