火の国旗、母の遺影にささげた優勝

 さる5月4日、熊本市内で第24回日の国旗全国高校空手道優勝大会が開催されました。
 この大会で、おかやま山陽高校空手道部は、男子団体組手競技において、実に7年ぶりの優勝を果たしました。7年前と言えば、いま空手道部のコーチとして指導をしている本村先生が現役だった時代です。
 実は、今回の優勝には、隠れたエピソードがありました。
 話は2ヶ月前の和歌山県での選抜大会までさかのぼります。
 選抜大会の開会式の朝、空手道部男子の主将を務めているK君のお母さんが、闘病生活の末、お亡くなりになったのでした。
 試合前、監督のもとにはその一報が入っていたのですが、お父様のご意向もあり、K君本人には大会が終わるまで伏せておこうという話になりました。主将として、全国大会を悔いなく戦い抜いてほしい、との願いからでした。
 試合は決してよい結果ではありませんでしたが、ほかの選手たちを率いて、K君は立派に戦い抜きました。
 そして、監督からお母さんの死を知らされ、悲しみの中、郷里の熊本へと帰っていきました。
 ところが、後でわかったのですが、実はK君は、試合前の時点で、お母さんが亡くなったことを知っていたのです。郷里の幼馴染が、選抜という大舞台に立つK君の気持ちを思い、朝一番でお悔やみと励ましのメールを送ってくれていたのでした。
 世界で一番大切な人であるだろう実のお母さんの死を知りながらも、周りへの気をつかったのか、K君は顔色一つ変えずに、知らないふりをしたまま、最後まで戦い抜いたそうです。そのときのK君の心の中を推し測ると、胸がつぶれそうになります。
 主将としての責任感、という一言でくくるには、あまりにも壮絶な決意です。
 そして、今回の火の国旗優勝大会。会場である熊本は、奇しくもK君の故郷です。
 応援席には、K君のお父さんが、お母さんの遺影を抱いて応援に駆けつけました。
 ほかの選手たちも、すばらしい戦いぶりで、チームは順調に勝ち進みました。
K君は決勝戦で中堅として登場。次峰、中堅、副将と圧勝で3人抜きし、いよいよ大将戦です。
 途中、アクシデントで負傷しかける局面もありましたが、最後はK君の上段突が見事に決まり、優勝を勝ち取りました。
 一言で表すならば、『念』でしょうか。
 空手は心・技・体だと言われますが、今回の優勝、それにとどまらない『一念』が、チーム全体の闘争力を盛り上げた結果、勝ち取ったのではないでしょうか。
 女子も、これに応えるように5位に食い込みました。若い、若いと言われたチームですが、だんだん成長していることがはっきりわかります。加えて、2年生女子のKさんは、栄光の5人抜きまで獲得してくれました。
  K君、そして、空手道部の諸君、かけるべきうまい言葉が見つからないけど、これだけは、間違いなく言えます。
 We All Are Proud of You.
 私たちは君たちを誇りに思います。
 あんたが一番!!


福山ポートプラザ 母の日コンサートは、無料です!
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 来る5月13日(日)、福山ポートプラザにて、おかやま山陽高校吹奏楽部コンサートを開催します。演奏時間は午前11時、午後2時、午後4時の3回です。
ぜひともお誘いあわせの上、おこし下さい。

 このコンサートに先立ち、来る5月10日(木) の午前8時より、FMレディオビンゴ(77.7Mhz)で、おかやま山陽高校吹奏楽部の精鋭プレイヤーたちが、生出演、生演奏をさせていただくことが決まりました。
 どのパートの演奏になるかは、当日聴いてのお楽しみです。
 生徒たちの演奏が、朝の目覚めをいっそうさわやかなものにしてくれることと思います。
 放送は福山市を中心としたエリアで聴くことができます。