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ゲルは意外と強いものですね。
台風はほぼ通過したようです。被害を受けられた方には心よりお見舞いを申し上げます。
今回、おかやま山陽高校の施設・設備で一番心配していたのが、設置中の冷暖房設備の資材。これは、プロの職人さんたちが養生してくださっているので、大丈夫でした。
次に、モンゴルのゲル。
これは、未知数。が、これまで2回の台風では大丈夫のようです。
おわん方なので、風には強いのかも。さすが、遊牧民の知恵。
ただ、むしろ気になっているのが、カビ。
ゲルは基本的に乾燥した国土で発達した建築物ですから、湿気には決して強くありません。さらに、雨対策として、ゲルの外布のさらに上から、ビニールを掛けているので、一回入った湿気が抜けにくいのです。
かといって、ビニールを外すと、雨の多い日本の夏はとてもしのげません。中までビチョビチョになってしまいます。
当面はできるだけ扉を開け閉めして湿気を逃してやるしかないようです。
ケニアに行ったときにも思いましたが、建物というものはやはりその土地から「生えて」くるもんなんですね。
ケニアでは、岩の多い火山のふもとでは石積みの家が、牛の多い地域では牛糞の家が、赤土の、シロアリのあり塚が延々と続く地帯では土壁の家が建ち並んでいました。
モンゴルは、草原と羊とツンドラの国。
ツンドラの木を骨組みに、羊の毛をつむいだキルトをかぶせたゲルは、やはり、モンゴルの大地から生えていて、はじめて本来の機能を果たすものなんでしょう。